玉虫日記 沈丁花
2017年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2007.03.08 (Thu)

沈丁花



夜更けの病室・・
『もう帰ってもええよ。遅くなるから・・』と弟が言う。
聞き取れないほど力なくか細い声で。
弟の背の下に入れていた両腕をそっと抜く。
『ありがとう。重いのに・・』
腕の変わりに小さなまくらを背中に添えて立ち上がる。
「じゃ行くね。また明日来るから」
『うん。おやすみ』

あなたはいったいどんな思いであそこに横たわっていたんだろう。
苦しい体に微笑み浮かべて手を振ってくれた弟
あの姿が今も目に焼き付いて離れない。

病院を出て駐車場に向かう道
闇の中に漂う沈丁花の香り
午後来るときもこの道を通った筈なのに
花が咲いていることにすら気付かなかった・・

夜の冷えた空気を染めて色濃く流れる香りが
切なくて切なくて堪えていた涙がとめどなく零れた

沈丁花はそんな悲しい思い出の花。
23:35  |   |  トラックバック(0)  |  コメント(4)

Comment

No title

切ないことばかり思い出されるね。
人は本当に切なくて切なくて、
世界中が涙で溢れているって思えるときがあるよね。
tomus70 |  2007.03.09(金) 22:00 | URL |  【編集】

No title

別段自分だけが特別だって訳ではないですね。
長い歴史の流れの中でみな繰り返してきたことなんでしょう。
でもそれぞれが新しくて一つとして同じものはない悲しみです。
tama_ma_ma |  2007.03.10(土) 17:11 | URL |  【編集】

No title

悲しみの数だけ 人はやさしくなれると言うけれど
あまり多すぎても くじけそうになります・・・
やさしくできる余裕のない日々のなかで、せめて
誰かを傷つけることのないように過ごしていけたらな
そう思います。沈丁花を見る度に、咲さんの弟さんの
お話を思い出しています。
山猫 |  2007.03.10(土) 23:35 | URL |  【編集】

No title

たまにはここで弱音吐いてください・・
山猫さんよりお姉ちゃんσ(^-^)
tama_ma_ma |  2007.03.11(日) 11:48 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (現在非公開コメント投稿不可)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://tamamamanote.blog100.fc2.com/tb.php/122-3ead8811

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。